[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
[東京 27日 ロイター] 2月末の世界同時株安から始まった海外勢による大量の
日本株売りが、終息の兆しをみせている。統計上の売り越しは依然続いているが、売り圧
力は徐々に低下に向かっている。新BIS規制を警戒した地銀などによるヘッジファンド
経由の解約売りは一巡。4月以降は巻き戻しの動きも予想される。国内機関投資家の新規
運用資金の流入もあり、新年度の株式需給改善への期待感が高まっている。
<4月以降は地銀、信金などのヘッジファンド投資が再拡大も>
27日の東京株式市場では、寄り前の外資系証券の注文状況が3日連続の売り越しとな
ったが「三菱重工(7011.T: 株価, ニュース , レポート)、新日鉄(5401.T: 株価, ニュース , レポート)などの大型株にオイルマネーとみられる資金
が入ったほか、小売、商社などには欧州系の買いも入った。先物を含めた全般では海外勢
の売り越し基調が続いているものの、個別銘柄の物色意欲が戻っている」(外資系証券ト
レーダー)との声が出ている。この日は3月期の配当落ち(日経平均で約87円)であり
終値の156円安は、実質69円安程度にとどまったとみることができる。
直近3週間の外国人の売り越し額は、現物・先物(日経平均、TOPIX、日経300
の合計)合わせて約2兆2000億円に達した。波乱となった3月相場の最大の原因が外
国人であることは明白だが「売りのピークは越えた」(野村証券ストラテジストの藤田貴
一氏)との見方が多い。「4月2日の日銀短観を見極めるまで積極的な買いは入れないだ
ろうが、売らざるを得ないポジションの整理はほぼ終了している」という。
最近の外国人売りの背景には、3月末から適用される新BIS規制の影響もあった。「
地銀などによる(オルタナティブ投資の1つである)ヘッジファンドとの投資契約の解約
による売りが、株安に拍車をかけた」(欧州系投資顧問)との指摘がある。新BIS規制
では、オルタナティブ投資としてヘッジファンドに対して投資を行う場合、自己資本比率
を計算する際のリスクウエートの厳格化が求められるため、一部の銀行はヘッジファンド
や私募投信等の運用圧縮を図ったとみられる。
しかし、大和総研オルタナティブ投資調査室長の取越達哉氏は「リスクウエートが不透
明だったため、売りを急いだに過ぎない」という。「国内金融法人の潮流はヘッジファン
ド運用を拡大する方向にある。新BIS規制に対する過度な恐怖心が取り除かれたことで
4月以降は逆に地銀、信金などによるヘッジファンド運用が増勢に転じる可能性が大き
い」と指摘している。
<買収防衛策として自社株買いが下値支える>
3月下旬は例年、需給がエアーポケット状態となり売買高が盛り上がらない。26日の
東証1部売買代金は約2兆0900億円で今年最低水準となった。27日も2兆4626
億円と盛り上がりに欠けた。
「国内機関投資家はほとんど様子見姿勢だ。新年度運用の発射台を高くしない方が運用
しやすいとの考えがあるようだ」(コスモ証券エクイティ部部長の中島肇氏)。日経平均
の2006年3月末終値は1万7059円だが、3月の月中平均でみると1万6311
円。「月中平均を採用している参加者はお化粧買いの動きにもなりにくい」(いちよし証
券投資情報部チーフストラテジストの高橋正信氏)という。
しかし、株式市場では、足元の需給悪を乗り切れば、2007年度は新たな資金流入が
見込めるとの期待感が高まっている。「4月第2週ごろから国内機関投資家の新年度運用
資金が入り始める」(野村証券の藤田氏)。また、2006年度に4兆円を超えた企業の
自社株買いは「新年度さらに増加する公算が大きい。上場企業にとって敵対的買収者の登
場は他人事ではなくなっている。買収防衛策として自社株買いを積極化する企業は増える
自社株買いが株価を下支えする」(大手証券マーケットアナリスト)とみられている。
最近の外国人売りについても「米国景気に対する先行き不安がくすぶっていたためであ
り、日本のファンダメンタルズに対する評価は変わっていない。日銀短観を確認すれば再
度買い越しに転じる」(準大手証券ストラテジスト)と楽観的な見方が出ている。直近の
株価急落は、個人の株買い、円売り(外貨建て資産買い)という逆張りの投資行動に救わ
れたが、2007年度は新規の資金流入が株価上昇の原動力になりそうだ
http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=marketsNews&storyid=2007-03-27T075338Z_01_TK3113601_RTRIDST_0_JAAESJEA592.XML&src=rss